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スペイン人指導者から東京五輪代表への助言。「常に攻守のバランスを」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 久保のプレーセンスの高さは一目瞭然だろう」

 エチャリはそう言って、久保を中心にした日本の攻撃を高く評価した。

「中盤はボランチが舵を取っていた。遠藤航が後ろ、田中碧が前と、高さに違いをつけ、攻守のバランスを生み出す。前線で前田大然を中心に積極的な守備をしていたこともあって、ジャマイカの攻めを無力化。守備の安定もあって、攻撃のテンポを高めることができていた。

 そして42分には遠藤が敵陣で出足の速いインターセプトから攻め上がり、三笘とのパス交換で一度はプレーをキャンセルして堂安が後ろの田中に戻し、再びボールを遠藤につける。遠藤は右足で巻くようなシュートを放って、ゴール隅に流し込んだ。守備から始まったすばらしいゴール。たくさんの選手が絡み、それぞれのプレースピードもすばらしく、判断も迅速で適切だった」

 エチャリは、前半の出来に関して及第点を与えている。そして3点目、4点目に対しても言及した。

 「ジャマイカとのレベルの差はあって、後半も日本は優位に戦い続けている。

 上田綺世の3点目は、瞠目に値した。三笘がドリブルで相手をはがしてからのスルーパスに、上田はゴールへ最短距離で走り込む。GKの位置を見極めたループシュートは、スキル、ビジョンが横溢したフィニッシュだった。

 交代で出場した上田は、プレー理解の高さがうかがえた。味方と呼吸を合わせるプレーの質が高い。前田は守備面の貢献が高い"エリア内のFW"に見えたが、上田はエリア内だけでなく、エリア外でも周りとコンビネーションして攻撃を活性化できるFWだ。

 とどめとなる4点目、相馬勇紀はコントロールで相手を翻弄し、堂安のゴールをアシストしている。エリア内でスピードと技術をコンビネーションに結び付けられる選手が多くいる。それは、世界と戦う日本のアドバンテージと言えるだろう」

 7月、日本はU-24ホンジュラス、U-24スペインとの戦いを経て、東京五輪を戦うことになる。そこでエチャリは最後に、現段階での戒めの言葉を送った。

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