森保ジャパン2列目の最適解が見つかった。競争はさらに激化傾向 (2ページ目)
技術に優れ、タメを作り、打開もできて、ゴールも奪える。ドイツでたくましさを増すこのアタッカーは、大迫勇也(ブレーメン)の背後に位置し、日本の攻撃にアクセントを加えた。南野を左サイドに押しやり、中央に入ったのも、この万能性の高さによるものだろう。
一方、モンゴル戦で鎌田以上の輝きを放ったのは伊東だ。
2得点3アシストと目に見える結果だけでなく、その他の場面でも右サイドから起点となり、多くの得点チャンスを導き出している。
「チャンスの数からして、最低限の結果かなと思います。前半に1対1を外したところを突き詰めていかないといけない」
伊東はモンゴル戦後、自らのパフォーマンスを冷静に振り返っている。
この試合で意識していたのは、「幅を取る」ことだったという。
「幅を広げたほうが、拓実や大地のスペースが広くなる。相手のサイドバックが気になるようにワイドにとって、中のスペースを開けることを意識しました。所属チームでは中をやることもありますが、今日は張っていたほうが相手は嫌がっていたので、そっちを選択しました」
中央の鎌田はもちろん、逆サイドの南野も、先制点の場面がそうだったように、中でボールを受けたがるタイプ。伊東がワイドに立つことで、ふたりのプレーエリアを広げることが可能となったのだ。
また、同サイドでプレーした松原健(横浜F・マリノス)との関係性も良好だった。横浜FMでもインナーラップを持ち味とするこのサイドバックは、伊東が作ったスペースに入り込み、ボールを受けては多くのチャンスを生み出していた。
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中島、南野、堂安のセットは、いずれも中でのプレーを好むタイプ。中央に密集しがちで、3人だけで攻撃を完結できることもあり、サイドバックとの連係性も希薄だった。
しかし今回のセットは、幅を作れる伊東を軸に、中央でタメを作れる鎌田、中に切れ込みゴールに向かうタイプの南野と、3人の特性がそれぞれ違うため、バランス感覚に優れていた。そこに大迫が絡んだ攻撃は、外からでも中からでも打開できる多様性を示した。相手がモンゴルだったということを差し引いても、その攻撃性は高く評価されるべきだろう。
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