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森保ジャパンは流れをつかむ采配がない。日本ペースの時間帯は何分間? (4ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

 ただし、この時間帯のメキシコは、ミドルシュート1本とセットプレーからシュートを1本記録しただけで、リスクをかけて攻めたわけではない。立ち上がりのように前から激しくプレッシャーをかけるシーンは少なく、あくまでボールキープを優先し、取り戻したリズムを手放さないことにフォーカスしていた。

 その結果、日本ペースの時間帯は、前半10分から25分までの約15分間で終了。その後の20分は、メキシコがリズムを取り戻すための時間帯となった。

 後半、メキシコはふたりのメンバー交代を行ない、システムを4-2-3-1に修正した。

「通常では行なわないダブルボランチで守備を強化した。中盤で相手に負けていたので、そこのインテンシティを高めるために、ダブルボランチの前にピネダ(18番)を配置して戦った。それによりフィジカル面とプレー面で優位に試合を進められるようになった」

 試合後、マルティーノ監督はそう振り返っている。とりわけ投入された4番(エドソン・アルバレス)を軸に1トップ下の鎌田をダブルボランチが監視し、両サイドバックのポジショニングを変化させたことが効果を示していた。

 もっとも、日本の後半の入りは悪くなかった。シュートには至らなかったが、後半開始5分間で4本のクロスを記録。相手ペナルティーエリア内に進入するシーンもあり、メキシコのシステム変更が即機能したわけではない。

 ただ、52分に中山がイエローカードを提示されたあたりから、流れは完全にメキシコに傾いた。後半最初の日本のピンチは55分。左サイドを崩されてから24番のシュートを許すが、これは吉田がブロック。その直後、森保監督は南野拓実と橋本拳人を投入したが、残念ながらその選手交代は戦況を変えるためのものではなく、2試合におけるプレータイムを考慮したうえでの、予定された策だったと思われる。

 したがって、フレッシュなふたりが入ったところで試合の流れは変わらず、その後も58分、60分、そして62分には2度にわたってシュートを狙われるなど、日本が相手の猛攻を受けて耐えしのぐ時間がつづいた。

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