森保ジャパンは流れをつかむ采配がない。日本ペースの時間帯は何分間? (2ページ目)
指揮官が事前に「(今回の2試合で)できるだけ多くの選手を使いたい」とコメントしていたので、大方の予想どおりの人選だ。来年以降は日程的に親善試合を組めないことを想定してか、4-2-3-1の採用を含め、このメキシコ戦を本番前の総仕上げとするようなスタメン編成になった。
最大の注目は、左サイドバック(SB)に入った中山だ。ボランチやセンターバックなど複数ポジションをこなす中山にとっては、10月のコートジボワール戦につづいて2度目の挑戦。前回は、守備は及第点だったが、攻撃面ではほとんど効果的なプレーを見せられずに終わった。4バック時の本職左SBが長友佑都しかいない現在の森保ジャパンにとって、中山がその問題の解決策になるのかどうかが注目された。
一方、メキシコは、ヘラルド・マルティーノ監督が「2年前に始めた戦い方を明日も継続したい」と前日に語ったとおり、通常の4-3-3を採用。3-2で逆転勝利を収めた11月14日の韓国戦から中2日だったこともあり、スタメン6人を入れ替えた。
そうしたなかで迎えた前半は、試合展開を見るうえで、おおよそ3つの時間帯に分けられる。キックオフから10分、10分から25分、25分から45分だ。
開始から約10分間、ペースを握ったのはメキシコ。前線から激しくプレスを仕掛け、日本の最終ラインがボールを保持した時は、右インサイドハーフの18番(オルベリン・ピネダ)が1トップの9番(ラウール・ヒメネス)と共に最前線で圧力をかけ、4-4-2に変形。日本のダブルボランチには、8番(カルロス・ロドリゲス)と24番(ルイス・ロモ)がそれぞれマークにつく、最近定番化している4-3-3システム時の守備方法だ。
とはいえ、メキシコはその時間帯で優勢に立ったものの、リスクをかけてまでゴールを目指したわけではない。どちらかと言えば、開始から積極的に前に出て、日本のリズムを乱す狙いに見えた。中2日のハンデを考慮しても、開始直後に見せたこの手の威嚇は、あって然るべきだろう。
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