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森保ジャパンは流れをつかむ采配がない。日本ペースの時間帯は何分間? (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

 立ち上がりで受けに回った日本は、最終ラインからのロングキックで対抗。その間、吉田が2本、中山が2本と、ロングボールを蹴ってメキシコのプレッシャーを回避し、しかもその4本はいずれも味方につながるなど、一定の効果を示している。

 次第にメキシコの威嚇が弱まり始めると、ワンプレーをきっかけに試合は日本ペースに移った。前半10分、中盤で遠藤が相手からボールを奪ったあとの展開から、左サイドで伊東、原口が絡み、最後は鎌田がドリブルで切り込んで中央にパス。惜しくもゴール前に詰めた鈴木には合わなかったが、これを機に、その後は日本がリズムをつかんだ。

 しかし、12分の原口の強烈なミドルシュートも、15分の鈴木の決定的チャンスも、そのこぼれを伊東が狙ったシュートも、GKギジェルモ・オチョアがファインセーブ。その後も16分と19分に伊東がミドルを放ったが、ゴールには至らなかった。

 おそらく、試合後に森保監督が「自分たちが勝って終われるだけのチャンスはつくれた」とコメントしたのは、この時間帯のシュートシーンを指しているのだろう。

 ちなみにこの間、開始10分は0本だった敵陣でのくさびの縦パスは、3本を記録。開始10分間で1本だったクロスボールも、10分から25分の間に5本を数えた。逆に、最終ラインから前線へのロングフィードは、開始10分間の4本が、2本に減少。この時間帯が日本ペースだったことがわかる。

 ところが、次第にメキシコも日本の攻撃に対応し、19分の伊東のシュートを最後に日本のチャンスが減少。前半25分を過ぎたあたりから再び流れが変わり始めた。とくに前半26分に鈴木がイエローカードをもらったあとは、メキシコが落ち着きを取り戻し始め、30分を過ぎると、メキシコがボールを握って試合をコントロールした。

 実際、30分から前半が終わるまでに日本が敵陣で記録したくさびの縦パスは1本のみ。クロスボールも1本に減少し、シュートは0本。最終ラインからのロングボールは再び5本に増加している。

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