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欧州組のみの日本代表の守備は安定。では攻撃面で残った課題とは? (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • 日本サッカー協会●写真 photo by ©JFA

 また、4バックでは長年にわたって懸案事項になっている左SBに、カメルーン戦は安西幸輝(ポルティモネンセ)、コートジボワール戦は中山雄太(ズヴォレ)が起用された。やはりこのポジションは長友佑都の幻影がチラつくが、そのなかで中山は可能性を示したと評価している。

 本人は体格的(181cm)にCBでは厳しいと考え、ボランチでやっていきたいようだが、コートジボワール戦でのプレーを見れば、左SBにも日本代表で生き残る道はあると思う。

 そこまでスピードがないので、オーバーラップしてクロスを入れるところにストロングはないと思うが、それ意外の部分は悪くない。左利きというメリットがあり、U-20日本代表時代は冨安とCBを組んでDFラインを統率した、クレバーさやフィード能力もある。

 Jリーグ時代は勝負に対して淡白な印象があったが、オランダでプレーするようになってそれも消えた。2試合を通じて勝負に貪欲で、激しく相手に当たる中山の姿には驚かされた。もともと意識の高い選手ではあったが、これは今ヨーロッパで評価を高めている同年代の冨安の存在があるからかもしれない。

 そして、今回の起用法を見ると、森保一監督から中山への期待の大きさが表れていたように思う。それが東京五輪代表の中心選手としてなのか、その上にある日本代表を見据えてなのかはわからないが、ここから一段も二段も上のレベルに行ってもらわなければ困る選手なのは間違いない。

 今回の親善試合を見て感じたのは、日本に戻ってくる長距離移動や時差がなく、選手がレギュラーシーズンのコンディションのまま試合に臨んだので、各選手とも現在のクラブで置かれている状況が明確に出たということだ。

 その状況で圧倒的な存在感を示したのが、遠藤航(シュツットガルト)だった。コートジボワール戦はボランチで先発したが、遠藤の守備力の高さがあることで、同じボランチの柴崎岳(レガネス)は安心して前めにポジションを取れていた。

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