川口能活に聞く。Jリーグの若手GKが
韓国人からレギュラーを奪うには? (2ページ目)
10代、20代前半の選手たちには期待していますし、若い選手たちが出てくることでリーグも活性化します。GKというポジションにとって、競争が活発になるのはいいことだと思います」
J1チームでは、鹿島アントラーズの沖悠哉(21歳)、湘南ベルマーレの谷晃生(19歳)、ベガルタ仙台の小畑裕馬(18歳)、清水エスパルスの梅田透吾(20歳)といった若い世代が出場機会を掴んだ。
J2まで視野を広げれば、アルビレックス新潟の小島亨介(23歳)もそのひとりだ。昨シーズン頭角を現し、すでにA代表も経験しているサンフレッチェ広島の大迫敬介(21歳)も含め、いわゆる東京五輪世代のGKの台頭は、コロナ禍におけるトピックのひとつだろう。
一方で、川口は厳しい目も持っている。
「年齢の若いGKも試合に出ているように、どのGKにもチャンスがあるということではありますけど、最終的には実力のある選手がゴールを守る、ということに変わりはないと思います。リーグ戦も折り返しを迎えましたけど、全体を見渡せば現実的にはそうなっていますから」
事実、仙台の小畑にしても、清水の梅田にしても、正GKの座を掴んだとは言えない。仙台はヤクブ・スウォビィクが、清水も大久保択生がスタメンに返り咲いている。広島にしても、38歳のベテラン林卓人が経験と存在感を武器にポジションを奪い返している。
一方で、川崎フロンターレのチョン・ソンリョンやセレッソ大阪のキム・ジンヒョンを筆頭に、韓国人GKがゴールマウスを守っているチームも多い。Jリーグの複数クラブが彼らに頼っている傾向を、川口はどのように見ているのか。
「韓国籍のGKは、もちろん技術的なものやフィジカル的なものも高いと思うんですけど、一番は絶対にゴールを割らせないという気迫がありますよね。Jリーグで韓国籍のGKが活躍するようになってきた背景には、サイズが理由のひとつにあると思いますけど、僕はそれ以上に、彼らがゴールを守っていることで得られる安心感や信頼感が大きいように思います。
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