川口能活に聞く。Jリーグの若手GKが韓国人からレギュラーを奪うには?
◆「和製ロナウド、小野伸二2世...。消えていった天才Jリーガーたち」はこちら>>
川口能活インタビュー@後編
日本代表として4度のW杯メンバー入りを果たし、2大会でゴールマウスを守った。世界の強豪と戦ってきた実績もあれば、欧州でプレーしたこともある。43歳まで現役を続け、J1優勝はもちろんのこと、J2、J3でもプレーした経験がある。
日本人GKのパイオニアとして牽引してきた川口能活が現役を引退して、まもなく2年が経とうとしている。引退後は指導者に転身すると、今年7月には東京五輪に臨む日本代表のGKコーチ就任が発表された。
リモート取材なため画面越しではあるが、現役時代に発していたギラギラ感が少しだけ和らぎ、その分、指導者としての包容力がにじみ出ている感じがした。
指導者として川口能活はどんなGKを育てるのか「まだまだ指導者として勉強しなければならないことは多いですけど、慣れてはきましたね。GKのところだけではなく、全体を見られるように、練習メニューもそうですけど、コーチング、試合に向けた選手のコンディション作りも含め、毎日試行錯誤しながらやっています」
東京五輪に臨む代表チームの活動は頻繁にあるわけではない。そのため、普段はJFAアカデミーのユースチームを指導しているという。
「週末には試合が行なわれるので、その試合に向けて選手のコンディションをどう持っていくか。練習の組み立てを含めてやっているのですが、選手時代とはまた違った充実感があります」
東京五輪代表のGKコーチとして、時間が許すかぎり、Jリーグの視察にも赴いている。指導者として多忙な日々を過ごしている川口の目に、今シーズンのJリーグは、今の日本サッカーは、さらにはGKの育成はどう映っているのだろうか。
「今シーズンは新型コロナウイルス感染症による影響もあって、Jリーグはどのカテゴリーも降格がないことから、GKのポジションにも変化が起こっていますよね。これまでは、1シーズンにGKは2人起用されればいいほうだったのが、今シーズンは3人ないしは4人が出場機会を得ているチームもある。
1 / 5