2020.10.10

森保ジャパンで注視すべきは前半の戦い。
これではW杯ベスト8は夢の夢

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by KYODO

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 親善試合について語る時、推しはかりたくなるのは相手の勝ち気だ。日本の親善試合といえばホーム戦。9割方、スタジアムが日本人の観衆で埋まる中で行なわれる。おのずと絶対に負けられない戦いになる。敗戦や失敗を怖がる日本人気質がこれに拍車を掛ける。

「勝利にこだわりながら......」とは森保一監督の口癖だが、「ながら......」と言う勝利と、戦術や新戦力を試すなどの要素は、8対2ぐらいの関係にある。勝ち気満々で戦う日本に対し、相手は必ずしもそうではない。5対5ぐらいの感覚で臨んでくる。親善試合は、このカルチャーギャップと言うべく温度差に、気を配りながら観戦する必要がある。厳しく言ってしまえば、親善試合で日本ほど喜べない勝利を重ねている国も珍しい。

 温度差が一番現れやすいのがメンバー交代だ。何人をどのタイミングで代えるか。交代は必ずしも戦力アップを意味しない。常時、新陳代謝が求められる代表チームの場合はとりわけ、テストの意味合いが多分に含まれる。

 日本対カメルーン戦の交代枠は6人で、森保監督が4人を代えたのに対し、カメルーンのトニ・コンセイソン監督は5人を代えた。カメルーンのメンバーは、PCR検査でコロナ陽性だった選手が不在のため全部で18人。コンセイソン監督は控えGKと1人のフィールドプレーヤー以外、16人をピッチに送り込んだ。

 一方、森保監督は交代枠を2枚余して試合を終えた。2人の控えGK以外にも、6人のフィールドプレーヤーが出場機会を狙い、アップをくり返していたにもかかわらず、そのまま、試合を終えた。

カメルーンに0-0で引き分けた日本代表。ドリブルで攻め込む久保建英 後半30分を過ぎた頃から、試合は日本ペースに移行した。後半39分には左ウイングの位置でボールを受けた交代出場の久保建英がタテ突破を決め、センタリング。大迫勇也に惜しくも合わず......というチャンスを作った。終了間際には同じく交代出場で右ウイングバックの位置に入った伊東純也が、右サイドを突破。ペナルティエリア手前で反則を受けると、そのFKを、キッカーの久保がGKを泳がす際どいシュートを見舞った。

 終わり方がよかったのは日本。0-0という結果に悲観的になる人は少ないかもしれない。だが、森保監督が交代枠をさらに2枚切っていたらどうだっただろうか。日本はペースを握ることができていただろうか。