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数字的にはショボくてもベスト。アジア杯
イラク戦に日本のあるべき姿が見えた (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 このアジアカップで4-3-3の左を務めた乾貴士(香川は1トップ下に回った)は、香川のように真ん中に入り込みすぎることはなかった。後方で構える長友とコンビネーションを図りながら、ピッチを広く使おうとした。まさにロシアW杯的だった。

 両サイドで幅を取りながら真ん中を突く。したがって支配率は上昇し、パスコースも増えた。見栄えのよい美しいサッカーができていたのだ。

 4-3-3という布陣は、主に相手ボール時における体型で、マイボール時は3-4-3だった。1ボランチ=アンカーを務めた長谷部誠は、マイボールになると、両センターバックの間に割るように降り、3バックのセンターとしてプレーした。

 イラク戦の後半18分、遠藤保仁に代わり、守備的MFとして今野泰幸が投入されると、布陣は4-3-3から4-2-3-1に変化した。しかし、これも相手ボール時の話だった。マイボールに転じると、例によって長谷部が下がり、守備的MFは今野1人になった。4-2-3-1はつまり、3-3-3-1に変化した。パスコースがあらゆる布陣の中で最も多いとされる、3バックの中でも最も攻撃的とされる布陣だ。

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