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数字的にはショボくてもベスト。アジア杯
イラク戦に日本のあるべき姿が見えた (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 西野さんが何か改革を図ったと言うより、単にハリルホジッチ以前のサッカー=アギーレジャパンに戻ったという印象だ。選手がどこかで2年数カ月前のサッカーを欲していたと推察する。

 2015年1月。アジアカップ準々決勝でUAEに、延長PK 負けしたアギーレジャパン。2連覇を狙っていたチームがベスト8で敗れた落胆から、内容に焦点は当たらなかったが、それは特段、悪くなかった。

 グループリーグの3試合=パレスチナ戦(4-0)、イラク戦(1-0)、ヨルダン戦(2-0)しかり。UAE戦以上に語られることはなかった。このエアポケットに陥りがちな3試合は、西野ジャパンを語る上でも欠かせない3試合であるとは、筆者の見解になるが、中でも秀逸な出来映えだったのが第2戦。1月16日、真夏の陽気のブリスベンで行なわれたイラク戦になる。あるべき日本サッカーの原型を見るかのような(森保ジャパンのサッカーがどうなるのか、定かではないが)一戦だった。

 スコアは1-0。しかも、唯一の得点は本田圭佑のPKという、数字的に見れば、かなりショボい勝利になる。だが、チャンスは山のようにあった。本田1人でポストやクロスバーにシュートを3本当てている。その他にも枠内シュートが5本もあった。

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