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小川航基は再び這い上がる。
「自分はエリートなんかじゃない」 (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 東京五輪代表チームの1トップには、このチームのトップスコアラーである上田、ポルトガルのマリティモで研鑽を積む前田大然、そして、オーバーエイジとしてA代表のエース、大迫勇也(ブレーメン)の参戦も噂されている。

 だが、それでも小川に期待せずにはいられないのは、ストライカーにとって大切な雰囲気をまとっているからだろう。何かをやってくれるのではないか......という期待感と言い換えてもいい。小川自身も、自分の可能性を信じて疑っていない。

「ゴール前での仕事の部分、いろいろな形で点が獲れること。それは自信があります。僕は雰囲気も重視していて、相手に『こいつ、何かやるんじゃないか」、味方に『あいつなら、何かやってくれるんじゃないか』という雰囲気をいかに醸し出せるか。東京オリンピックという大舞台では持っている選手しかやれないと思っていて、僕は自分がそういう雰囲気を持っていると信じている。その自信はあります」

 俺らは弱い――。

 その言葉に、小川がショックを覚えていることがうかがえた。しかし、今大会で負った深い傷も、自分を駆り立てるために必要な経験だと分かっているはずだ。エリートではなく、これまでも挫折するたびに這い上がってきたのだから。

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