2020.01.20

東京五輪オーバエイジ枠最有力。大迫勇也のすごさはどこにあるのか

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日本代表のエースとして攻撃を引っ張る大迫勇也福田正博 フットボール原論

■現在の日本代表の攻撃の中心として、欠かせないストライカー、大迫勇也。その能力や特長はどこにあるのか。五輪代表のオーバエイジでの招集も有力視されているFWについて、元日本代表の福田正博氏が評価するポイントとは。

 大迫のすごさは、欧州で生き残るためにさまざまなスキルを身につけていることにある。彼自身も言っているように、ほかの外国人選手ほど体は大きくない。だからこそ、欧州の屈強なDFを相手にボールをキープするために、体の使い方を工夫している。ちょっと先に体を当てて自分のポジションを取るなど、日本ではやっていなかったことを、体の大きい相手と対戦を重ねるなかでできるようになった。

 もともと能力が高く、オールラウンダーの選手であり、厳しい環境で体の使い方を覚えて、しっかりキープもできるようになって、結果が出るようになった。そして自信を深めていき、昨シーズンはブレーメンでさまざまなポジションを経験した。フロリアン・コーフェルト監督のもとでFWだけではなく、サイドバック、ボランチまで非常に幅広くプレーしたわけだが、今思うとそれが彼のプレーの幅を広げることになったのではないか。

 彼自身は、本来のポジションではないという思いはあっただろう。昨シーズンのブレーメンはマックス・クルーゼ(現フェネルバフチェ)というエースが攻撃の中心だったことも影響していた。彼を中心にチームを作ったがために、大迫自身は点を取れていなかったので不満はあったと思うが、結果的にいろんな視点でサッカーを見る力を身につけることになったはずで、非常に大きな成長につながったと私は思っている。

 私自身もそうだったが、複数のポジションを経験することで、違う角度や視点でピッチを見ることができるようになる。そのことで、自分自身のプレーの幅を広げることができた。

 さまざまなポジションを経験することで、まったく違うアングルからピッチを見てから本来のポジションに戻った時、プラスに作用することもある。サッカーで1つのポジションだけでずっとプレーしていると、「自分のプレーはこれ」と決めつけてしまい、柔軟性を欠いてしまう危険性もある。

 そうしたときに、違うポジションを経験してそれまでの自分とは違う面を発見することで、それが成長のきっかけになることもある。私自身、ボランチやウィングバックをやってみて、違う角度でサッカーを見ることによって、FWに戻った時に「周囲はこういうふうに考えているんだな」といろんなことに気がつくきっかけになった。