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大勝のジャマイカ戦、A代表での経験を
生かした主将・中山雄太の決意 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images



 ファーストディフェンダーさえハッキリしていれば、後ろもハマる。逆に言うと、後ろはそれでやるから、前はちゃんと行ってくれと(笑)。昨日の選手ミーティングや練習ですり合わせられた結果だと思う」

 一方の安部は、プレスがハマらなかった際の対応について言及する。

「小さいところに目を向ければ何十回も剥がされましたけど、ミーティングではどういう守備をするかよりも、うまくいかなかった時の対応の仕方をすごく話した。やっぱり試合中はうまくいかないことのほうが多いので、それがすごくよかったですね。守備のミスも攻撃のミスも何個もありましたけど、それを11人プラス、スタッフの指示でカバーできたのはすごくよかったです」

 2017年12月に東京五輪代表チームが立ち上げられて約2年。これまで一度もベストメンバーを組めていない。A代表の活動と重なっているうえに、欧州のクラブに所属する選手の数も増えたからだ。この先、オーバーエイジの招集を考えれば、ベストメンバーを揃えることはますます難しく、森保一監督も「オリンピック直前にならないと無理だと思う」と認めている。

 ましてや活動期間中にトレーニングを行なえる日数は2、3日しかなく、戦術を緻密に植えつける時間はない。だからこそ指揮官は、ベースとなるコンセプトや戦術を提示したうえで、選手たち自身でもコミュニケーションを深め、問題を解決していくことを求めてきた。

 それが、このジャマイカ戦でひとつの形になったのだ。あらためて中山が言う。

「僕は今回、『自分の思っていることを遠慮せずに言い合おう』っていうことを伝えました。そういう習慣をつけたかったんです。こうしておけばよかった、ああしておけばよかった、ということをできるだけない状態にしたかった」

 もっとも、まだ1試合でうまくいっただけに過ぎず、ジャマイカの実力に助けられた面もあった。再び中山の言葉に耳を傾ける。

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