大勝のジャマイカ戦、A代表での経験を生かした主将・中山雄太の決意

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 中山雄太(ズヴォレ)の豪快なFK弾を皮切りに、旗手怜央(順天堂大)、前田大然(マリティモ)、安部裕葵(バルセロナ)、東俊希(サンフレッチェ広島)らが次々とゴールネットを揺らした、12月28日のU−22ジャマイカ代表戦。

 テンポよくパスをつないで両サイドを鮮やかに攻略し、9ゴールを奪って大勝を飾ったあと、試合に出る・出ないにかかわらず、みんなが晴れやかな表情で互いを労い、抱擁し、喜び合っていたのが印象的だった。

U−22ジャマイカ戦でキャプテンを務めた中山雄太(右)U−22ジャマイカ戦でキャプテンを務めた中山雄太(右) これだけ相手を圧倒すれば、チームに一体感が生まれるのも当然かもしれないが、理由はそれだけではなかった。

「自分の意見を出して、周りの意見も聞いて、充実した活動になりましたね」

 2シャドーの一角として先発した安部が振り返れば、U−22日本代表初選出ながら左ウイングバックとして先発した東も胸を張る。

「試合前や前日のミーティングで、前から守備に行ったり、情報を共有していたので、そのとおりにうまくいったのがうれしくて、ああなった(みんなで喜び合った)のかなって思います」

 12月24日から始まった今合宿では、連日にわたって選手だけのミーティングが行なわれ、意見交換とイメージの共有がなされた。その成果が、内容と結果にしっかりと表われたことが、チームの一体感を高めていたのだ。

 先制点でチームに勢いをもたらしたキャプテンの中山が、あらためてジャマイカ戦の価値について語る。

「今はチームとしての共通理解を深めている段階で、今日は本当に試合前から迷うことなく、同じベクトルで、強いベクトルで試合に臨めたし、結果にもつながったので収穫は多かった。試合前に共通意識を深めて準備することがチーム力になる。どんな選手が選考されても、こういう習慣が身についていけば、オリンピック世代の積み上げは大きくなっていくんじゃないかと思います」

 共通意識を深めた、選手ミーティング----。それを主導したのは、ほかでもない中山だった。

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