U-19代表は攻守の切り替えが強み。タレント集団に脇の甘さはない (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 しかし、ふたを開けてみれば、日本は危なげなく2連勝。1試合を残してグループ1位での決勝トーナメント進出を決めた。その主たる要因は、選手個々の能力もさることながら、攻守の切り替えの速さにある。

 攻から守への切り替えをもう少しかみ砕くと、ボールアプローチとプレスバックに分けられる。失ったボールに対し、ひとりがすばやく寄せて(ボールアプローチ)、相手のプレーを制限している間に、もうひとりが戻って奪い取る(プレスバック)。これをすばやく連動して行なうことが肝であり、誰かひとりでもサボれば、そこからたちまちプレスの網はほころんでいく。

 ここまでの(日本戦以外も含めた)B組の4試合を見ていると、単純なボール扱いでこそ、他の3カ国も決して日本に見劣らない。しかし、スピーディに攻守の切り替えを続けるという点において、日本は頭抜けている。絶え間なく攻守を繰り返す、そのスピード感は、明らかに他の3チームにはないものだ。

 今年のU-19日本代表は、間違いなく強い。だが、それは決してうまい選手が揃っているからだけではないように思う。

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