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なでしこJは韓国撃破で決勝へ。
「初ポジション」を試みる監督の意図 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「紙一重のところの判断や、引き出しが課題。今はからっぽの引き出しにいろいろ詰め込んでる最中です」

 失念していたが、彼女はボランチに入ってまだ5試合目だ。7月のアメリカ遠征でアメリカ、オーストラリアと戦い、今大会ではタイ、北朝鮮、韓国と戦ってきた有吉の考えるボランチの形が決勝の中国戦で表現されるはずだ。

 高倉麻子監督は、この準決勝でまたしても新しい試みを持ってきた。左サイドバックにまさかのセンターバックとして呼んでいた國武愛美(ノジマステラ)を据えた。もちろん國武は初サイドバックだ。

「見える景色が(CBとは)全然違いました」と戸惑いながらも、懸命にビルドアップに挑戦していく姿を見ることができた。なぜ準決勝という場でリスクのある起用をするのか。それは目先の勝利だけでは選手の成長は促せないからだ。

 今大会の女子サッカーの登録人数は18名。これは他国よりも少ないがオリンピックと同じ条件である。今大会を2020年東京オリンピックと想定して戦っているのだ。

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