なでしこJは韓国撃破で決勝へ。
「初ポジション」を試みる監督の意図 (2ページ目)
ポイントとなったのは、やはり対戦前から危険視していたインサイドハーフのチ・ソヨン、チョ・ソヒョン、1ボランチのイ・ミナのトライアングル。フィジカル、ボールコントロール、パスセンス、決定力......、それらを兼ね備えている3人で、誰につくべきか的を絞り切れなかった。さらに、この3人が自由に動き回るため、マークの受け渡しなどにも混乱が生じた。
先制点後、さらなる追加点を挙げようと、積極的に攻撃に絡もうとしたボランチの空いたスペースを韓国が使い出すと、日本守備陣は一度ブロックを引く道を選んだ。
それでもセカンドボールが拾えず、一向に流れを呼び戻すことができない。要注意人物の1人であるチョ・ソヒョンを泣く泣く自由にさせ、ボランチの有吉佐織、中里優(ともに日テレ・ベレーザ)でチ・ソヨン、イ・ミナの2人を抑えるなど、ピッチ上ではいろいろと対応しながら、好転させる試みを尽くしていた。それでも「難しかった......」(有吉)と、厳しい現実がそこにあった。
「マッチアップしたことがないんですよ」
有吉は韓国戦を前に、韓国のエース、チ・ソヨンとの対決を楽しみにしていた。前半は、相手がポジショニングを下げていたことで実現しなかったが、その後ガップリ四つに組み合った。「剥がせるときもあった」と手応えが残った。韓国戦で苦しんだことも含め、ようやくボランチというポジションの良し悪しがわかり始めたという有吉。
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