成長途上のU-21森保ジャパン。
ベストな過程、最適な相手と決勝へ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 両チームとも内容的には見るべきものに乏しく、ゴールが生まれる可能性をほとんど感じさせなかったが、だからといって責められない。そんな試合だった。

 アジア大会の男子サッカーは準決勝が行なわれ、日本がUAEに1-0で勝利した。

 ジメジメとした蒸し暑さのなかで、互いに中1日での試合。しかも、それまでに中1~4日の試合間隔で、すでに5試合もこなしてきているとあって、どちらにとっても、わずかに残されたエネルギーを出し尽くす消耗戦だった。

「前の(延長戦まで戦った準々決勝の)北朝鮮との試合がキツく、体力的に回復が間に合わなかった。プレーするのに十分なパワーがなかった」(UAEのマシエイ・スコルザ監督)

「昨日はほぼ練習をしていない。疲労を抜き切ることはできないが、少しでも抜き、リフレッシュできるようにした」(森保一監督)

 体力的な厳しさは、両チームの監督がそろって口にしたとおりだ。

 概ね、日本が優勢に試合を進めてはいたが、決定機と呼べるチャンスは数えるほどで、得点ムードは高まらず。また、UAEにしてもカウンターから攻撃機会をうかがうも、中東のチームらしいスピード感は最後まで見られなかった。

 通常のリーグ戦なら、お互い0-0のドローでよしとする試合だっただろう。残り15分あたりから、暗黙の"手打ち"がなされ、試合は引き分けに向かって進んだはずである。森保監督も「(後半の)75分あたりから、延長戦もあるかなと考えた」と言い、90分で決着がつきそうにない雰囲気を感じ取っていた。

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