身体と心を蘇らせた広島・青山敏弘
「変わっていく自分にびっくりした」 (2ページ目)
―― できるかどうかわからないけど、やるしかないと。
青山 新しい監督が来て、チームが変わっていくんだな、というのはやっぱり感じていたし、新しい広島をつくっていかなきゃいけない、それには自分たちも変わらなきゃいけない、というのもわかっていた。新しいサッカーにチャレンジするのは、非常にエネルギーがいるんですけど、昨年は誰もが悔しい想いをして......そんな簡単な言葉じゃ表せないですけど、誰もがもう一度、いい方向に向かっていきたいと思っていた。日本人の監督なので、そうした僕らの想いを理解してくれたし、城福さん自身の気持ちも伝わってきた。そういうのがマッチしたのかな、と思います。
―― チームが変わらなければならないなかで、青山選手自身も、新しい自分を見つけたい、という期待があったのではないですか?
青山 いや、正直、自分のことはあまり考えてなかったです。チームが新しいサイクルに入っていくなかで、その流れにうまく乗れたらいいな、くらいは思っていましたけど。そもそも自分自身にあまり期待してなかった。だから、シーズンが始まって、自分が変わっていくことにびっくりしたというか。本当に1試合、1試合、自信になっていきました。でも、正直、半分は自信になっていたけれど、半分は疑ってもいて。
―― 信じ切れない、というような?
青山 まだ気を緩ませたくないというか。ここまで戻ってきたんだ、という喜びがあったけど、またできなくなるんじゃないか、という怖さもあった。でも、身体のことに関しては、池田さんがそばにいてくれたから。
―― フィジカルコーチの池田誠剛さんですね。
青山 いつも気にかけてくれて、「アオは大丈夫」「アオはもっとよくなる」って言葉だけじゃなく、常に寄り添って指導してくれた。池田さんは自分の不安を一番理解してくれたし、自分もその不安を正直に伝えたんです。それに対して、的確なリアクションが返ってきて、身体にも反映されて、結果もついてきたから、本当にすごいなって。
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