2018.08.23

U-21森保ジャパンの逸材ボランチは
目指す理想のスケールがデカい

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 ほんの1年半前まで、ゴールやアシストこそがサッカーの醍醐味だと思っていた。

 ゴール前でアイデアを膨らませ、決定的な仕事をするのが何よりも楽しかった。

 だから、パスコースの消し方やちょっとしたポジションの取り方に、自分がこんなにも面白いと感じるようになるなんて、夢にも思っていなかった。

森保ジャパンで攻守の要となっているボランチの松本泰志「最近、ボランチが楽しくて仕方ないんですよ。攻守においてたくさんボールに触れるし、ピッチ全体を見渡せるじゃないですか。数的優位をどうやって作ろうかな、とか考えるのはすごく面白いですね」

 じゃあ、これからはボランチひと筋で生きていく――?

 そう訊ねると、松本泰志(サンフレッチェ広島)は人懐っこい笑顔をのぞかせながら、答えた。

「そうですね。もうここしかないなって――」

 インドネシアで開催されているアジア大会。2勝1敗の成績でグループステージを突破したU-21日本代表において、ここまで出場時間がもっとも長いのが、225分に出場した松本だ。ネパール戦(1-0)とパキスタン戦(4-0)には先発フル出場を果たし、ベトナム戦(0-1)では後半からピッチに立った。どの試合もボランチとして。

 なかでも好パフォーマンスを見せたのが、ベトナム戦である。

 序盤にミスで失った1点が重くのしかかり、最後までゴールをこじ開けられなかったが、試合の流れを大きく引き寄せたのは、後半から投入されたふたり――推進力をもたらした岩崎悠人(京都サンガ)と、リズミカルにボールを動かした松本だったのは間違いない。

 もっとも、1、2戦目では思い描いたプレーができたわけではない。ネパールも、パキスタンも、自陣に引きこもり、スペースを消してきたうえに密着マークを敢行してきたからだ。

「あれだけ引かれてしまうと、難しかったですね。散らしながら揺さぶっていたんですけど、ボランチのところに相手がけっこう出てきていたし、シャドーのところにもみっちりついていたので、厳しかったです」