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U-21森保ジャパンの逸材ボランチは
目指す理想のスケールがデカい (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 前線の選手のマークが外れる瞬間を探りながら横パスを繰り返す一方で、「なぜ、早く縦に入れてくれないんだ」という攻撃陣の焦れる気持ちも手に取るようにわかった。

 昌平高時代は自身も2列目に入り、ボランチの縦パスを受ける立場にいたからだ。

「だから、2列目の気持ちはほんと、よくわかるし、彼らのストレスもよくわかる。そこは考えながらやっていますね」

 プロ入り後にボランチにコンバートされ、あらためて実感することがあるという。

 高校時代のチームメイトである針谷岳晃(ジュビロ磐田)がいかにすごかったか――である。

 磐田に練習参加した際、名波浩監督が「昔の自分を見ているよう」と絶賛した小柄なプレーメーカーがゲームを組み立ててくれていたから、高校時代の松本はゴール前の仕事に専念できたのだ。

「高校時代はタケ(針谷)が全部やってくれていたので、楽でしたね。僕は前で受けて、どんどん仕掛けていくだけ。タケの高校時代のプレーとかは今、参考にしてますね。タケから学ぶことは多いし、あらためて、すごかったなって」

 その盟友とは違うユニフォームをまとうことになったが、ボランチでプレーするようになった松本とって幸運だったのは、森﨑和幸、青山敏弘、柴﨑晃誠、稲垣祥、吉野恭平......と、身近に最高のお手本がいたことだ。

 なかでも、ゲームコントロールに関して、森﨑から学ぶことが多いという。

「カズさんは、勝っているときと負けているときとのコントロールの仕方が全然違うんですよ。勝っているときは、無理に縦にいこうとせず、受けて、さばいてを繰り返して時間を作って、隙があったらいく感じ。でも、負けているときはどんどん運んで、縦パスをつけていく。そのコントロールの仕方がすごいなって」

 そうした森﨑の職人技に、最初は気づかなかったという。しかし、松本にとってデビュー戦となった17年5月のルヴァンカップのセレッソ大阪戦で森﨑とコンビを組んでプレーしたとき、衝撃を受けるのだ。

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