2018.07.05

「南アW杯のゴールを守れない悔しさ」が、
今も川口能活のエネルギーに

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

私が語る「日本サッカー、あの事件の真相」第7回
出番のない「第3GK」として招集されて~川口能活(3)

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 2010年6月11日、南アフリカW杯が開幕した。

 日本は6月14日、グループステージ初戦のカメルーン戦に臨んで1-0で勝利した。4-1-4-1のシステムが機能し、本田圭佑が決めた虎の子の1点を守り切って待望の勝ち点3を獲得したのである。

「(カメルーンに)勝ったことは、本当にうれしかった。大会本番では(選手の)コンディションが最も重要になるのですが、それが、プランどおりに調整できていた。南アフリカは冬で、気温が低いのもあって、みんな、結構動けていたんです。これなら『なんとかなる』と個人的には思っていました。

 それにみんなが、指揮官が(自信を持って)示す”ベクトル”を信じてプレーしていた。僕らはわからなかったけど、岡田(武史)監督にはこうなることが見えていたんだと思います」

 日本はその後、第2戦のオランダ戦を0-1と惜敗するも、第3戦のデンマーク戦を3-1と快勝。周囲の不安を払拭し、劣勢と見られていた前評判を覆(くつがえ)してグループリーグ突破を決めた。

“第3GK”“チームキャプテン”という特殊な役割を担って代表入りした川口能活は、その間のチームをどう見ていたのか。さらに、選手たちにはどんな変化が見られたのだろうか。

「(サブ組の選手で言えば)変わった選手もいれば、納得できずにいた選手もいた。それでも、チームが勝ち上がっていくにつれて、みんなが同じ方向を向いて戦っていくようになりました。

 そうなれたのは、やっぱり勝利が大きかったんですが、自分はサポートメンバーがいたことも大きかったと思っています。永井(謙佑)、香川(真司)、酒井(高徳)、山村(和也)の4人がいたんですけど、彼らはこのチームから”代表チームの振る舞い”を吸収するので、23名の選手みんなが(自分のことで)腐っていたりできないんですよ」