杉山氏は西野采配を支持。ベスト8進出の可能性は過去2回より高い (2ページ目)
日本はその直前まで、危ない空気に包まれていた。試合の流れはポーランドに傾いていた。後半29分、カミル・グロシツキのクロスに、中央で構えるロベルト・レバンドフスキが反応。その倒れながらの右足シュートはゴールをわずかに外れたが、あのシュートが決まってくれなくて助かったというのが、正直な気持ちだ。
それでも、勝負そのものには0-1で敗れた。内容的にも、大会前に危惧されたよりはよかったとはいえ、ある意味で順当な敗戦だった。セネガル戦も、当初は一番戦えそうだと予想されたチームに引き分けたに過ぎない。
日本がベスト16入りした最大の要因は何かといえば、このグループ最強のコロンビアに、2-1で勝利したことにある。このまさかの勝利は、開始3分、香川真司のシュートを、右手上腕部で止めたカルロス・サンチェスに、PK&レッドカードの裁定が下されたことにある。イエローカードというが処置もありえたが、コロンビア戦の笛を吹いたスロバキア人の主審が、日本に最大限、好意的な判定をしてくれたことが、日本のベスト16入りを大きく後押ししたことは間違いない。
日本代表が、全体的に戦前の予想以上のプレーをしていることは確かだが、1チームがわずか3試合しか戦わないグループリーグは、ちょっとしたことで順位が変動することも事実。で、ちょっとしたことが起きやすいのがサッカーの宿命だ。日本のレベルが大幅にアップした末のベスト16というわけではない。
とはいえ、だ。8年前、16年前より、決勝トーナメント1回戦には希望の光が差している。
2 / 4