杉山氏は西野采配を支持。ベスト8進出の可能性は過去2回より高い (3ページ目)
2002年日韓大会、2010年南アフリカ大会はグループリーグ突破が悲願だった。2002年は、W杯本大会への出場2回目にして、ベスト16に進出しなければ開催国として格好悪いというプレッシャーとの戦いを強いられた。それが適った瞬間、選手を含め、ファンも満足してしまったフシがあった。決勝トーナメント1回戦を戦う準備ができていなかった。
2010年もグループリーグ突破が精一杯で、4試合目のことは眼中になかった。準備不足というか、特段の策がないまま決勝トーナメント1回戦を戦った。
ところが、今回の西野ジャパンはそうではない。少なからず余裕がある。端的に表れていたのが、ポーランド戦のスタメンだ。1戦目、2戦目からスタメン6人を入れ替えて臨んだ西野采配を見てピンときた。トルシエジャパン(2002年)、岡田ジャパン(2010年)との違いを、そこにハッキリ見て取ることができたのだ。
セネガル戦後、筆者は「できるだけ多くの選手を使い、そして勝つ。西野監督に求められる余裕とは」と主張をしていた。こう言ってはなんだが、こちらの期待しているとおりの選手起用を、西野監督はポーランド戦で実行したのだ。
大博打ではあるけれど、これは定石。ベスト16を目標とするなら、出るだけではダメだ。そこで可能な限りいい戦いを追究する姿勢が求められる。使える選手の絶対数を、大一番に向けていかに確保しておくかは、目の前の勝利を追求することと同じぐらい必要なのだ。
トルシエジャパン、岡田ジャパンはそれをせずに決勝トーナメント1回戦を戦い、そして敗れた。同じ轍を踏むわけにはいかないのだ。
試合後の会見で、こちらとまったく同じ思いを述べていた西野監督の言葉を聞きながら、「これは期待が持てそうだ」と思わずにはいられなかった。
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