セネガルを混乱に。杉山氏も感嘆する「ちびっこジャパン」の俊敏性 (2ページ目)
両者の距離を縮めた要素として挙げられるのが「早すぎる先制点」だ。初戦に勝利し、2戦目も幸先よく先制ゴールを奪った。セネガルはひと息つきたくなったようだ。日本代表にかかるプレッシャーは、時間の経過とともに軽減されていった。
日本に攻める番が回ってきた。それを日本が自力で掴んだものではないところが、サッカーの面白いところだ。半分プレゼントされたような流れの中で、日本はマイボールの時間を増やしていった。
柴崎岳の対角線キックが長友佑都の鼻先に向かって伸びていく。その周囲にはセネガル選手が2人いた。鮮やかなトラップを決めない限り、セネガルDFに奪い取られそうな状況だった。
前半34分の出来事である。だが、長友のトラップは足の甲で弾みすぎて、彼自身はもちろん、2人のセネガル選手にとっても、想像していない方向に弾んだ。このルーズボールを奪うのは誰か。
トラップを弾ませてしまった長友が自ら回収したことに驚かされた。小さくて軽い日本人選手の特長を見た瞬間であると同時に、スケールの大きなセネガル人選手の弱さを見た瞬間でもあった。トラップミスした長友がそれをミスとせず、自ら確保したプレーが、ピッチ上にセネガルにとっての違和感となって描き出された。
そこに走ってきたのは、もう1人の小兵、乾貴士だった。乾の身長は169センチ。手元のデータでは長友の身長は170センチとなっているが、見た目は乾の方が大きいので、長友はサバを読んでいる可能性が高い。
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