セネガルを混乱に。杉山氏も感嘆する「ちびっこジャパン」の俊敏性 (3ページ目)
160センチ台(?)のちびっ子コンビが、そこで俊敏さを発揮したのである。長友のボールを乾は味方であるにもかかわらず、かっさらうようにして切れ込んでいき、そして右足で巻くようなシュートを放った。アッという間の出来事だった。セネガルを混乱に陥れる、価値のあるゴールだ。
実力で上回るセネガルは、後半26分、スコアを2-1とする勝ち越し弾を決めているが、日本にとってショッキングなゴールというわけではなかった。予想以上に戦えていたからだ。勝ち負けはともかく、十分試合になっていたので、こちらも特段、劣等感を抱かずに観戦できていた。リードを奪ってもなお、セネガルは、日本の動きを嫌がっていた。
セネガルにとって"不快"に見えた一番は、試合後、相手のアリュー・シセ監督も語っていた大迫勇也だ。この選手の技巧が、セネガルを不快な気持ちに陥れていたことは明白だった。次に柴崎岳。守備的MFながら、幅広い動きでボールに絡み、パスワークの中心選手として活躍した。そして乾。フェザー級ニッポンを象徴する、忍者的というかネコのような軽さが、セネガルにはとりわけ効いていた。
西野監督はこの試合でメンバー交代を3人行なっている。香川真司と本田圭佑の交代(後半27分)、原口と岡崎慎司の交代(後半30分)、そして乾と宇佐美貴史の交代だが、本田の投入に疑問符はつくものの、交代はおおむね良好だった。なにより、岡崎の投入を機に布陣を4-2-3-1から4-4-2へと変化させたことがよかった。
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