セネガルを混乱に。杉山氏も感嘆する
「ちびっこジャパン」の俊敏性

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 岡崎と大迫の2トップ。2人は前線で並列に構えている時間が長いように見えたが、上下関係があるとすれば、岡崎が前で大迫が後ろだった。そこは大迫の能力が最大限発揮される場所でもある。大迫には、4-4-「1」―1の「1」とか、もっと言えば4-2-3-1のトップ下の方が適しているとさえ言いたくなる。

 かつてアーセナルで、ティエリ・アンリと前線でコンビを組んだデニス・ベルカンプのような、9番に近い10番、あるいは10番に近い9番。「9.5番こそが大迫のベストポジションだ」と記したことがあるが、後半30分以降、その状況が整ったのだ。

 結果が出たのは、そのわずか3分後だった。乾の折り返しを本田が蹴り込み、2-2に追いついた同点弾のシーンである。

 大迫はそのとき、右サイドでボールを受け、ゴール前に左足でクロスを送っている。岡崎がセネガルのGKカディム・エンディアイエと競り合うようにして潰れた結果、ボールは左サイドの深い場所で構える乾のもとまで流れていった。

 チャンスメークの起点になったのは大迫。そして岡崎がいなかったら、大迫が右に流れて、クロスを送ることなどあり得なかったのだ。

 ハリル時代、大迫は「もっとゴールに近いところでプレーしろ」と言われたものだ。センターフォワードとしては、ともすると頼りない選手に映ったが、それは言い換えれば、彼が多芸の持ち主である証だ。日本の同点ゴールは、その9.5番的な魅力が、発揮されたシーンでもあった。

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