2018.06.24

もう奇跡とは言わせない。
西野ジャパンがセネガルに勝つのは必然だ

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 あれは2008年だったから、今から10年前のことになる。

 西野朗監督率いるガンバ大阪はクラブ・ワールドカップに出場し、準決勝に進出した。決勝をかけて戦う相手は、イングランドの名門マンチェスター・ユナイテッド。その前日会見の場で、アトランタ五輪でブラジル代表を破った「マイアミの奇跡」について改めて問われた西野監督は、「奇跡」という言葉に反応して、きっぱりと言った。

西野朗監督はセネガル戦でどんな策を練っているのか「あのときは自分も、選手たちも奇跡とは思っていませんでした。狙ったことを実践できて、相手に自由にプレーさせなかったという確信は持っていましたから、あのネーミングはピンとこない。さらに、いまさら言われてもと思います」

 まるで、同じだった。

 10年経ったワールドカップの会見の場でも、指揮官は「奇跡」を否定した。

「実際に勝つためにコロンビア戦に向けて準備をしてきましたし、それを実現できたわけなんで、私自身は奇跡とは思っていません」

 相手を分析して対策を立て、それをチームに落とし込んだ。可能なかぎりの準備をして引き寄せた結果を、「まぐれ」や「幸運」という意味合いを含んだ「奇跡」のひと言だけで片付けられることに、納得がいかないのだろう。

 さらに西野監督は、セネガル戦に向けて、やや挑発気味にこう言った。

「ここ数日、選手とどう対応していくか、どう戦っていくか、準備をしてきたので、恐れるというよりは楽しみに考えたい。どう攻略していくのかというのを、明日見せたいなと思います」

 その口調は自信に満ちたものだった。今度は奇跡とは言わせないぞ――まるで、そう言わんばかりに。

 コロンビアを2−1で下し、幸先いいスタートを切った日本はグループステージ第2戦でセネガルと対戦する。FWサディオ・マネ(リバプール)、DFカリドゥ・クリバリ(ナポリ)のふたりを筆頭に、MFイドリッサ・ゲイエ(エバートン)、MFシェイク・クヤテ(ウェストハム・ユナイテッド)、FWケイタ・バルデ・ディアオ(モナコ)、FWエムバイ・ニアング(トリノ)と、主力選手はヨーロッパのトップリーグでプレーし、アフリカ勢らしからぬ組織力に優れたチームだ。