もう奇跡とは言わせない。西野ジャパンがセネガルに勝つのは必然だ (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

「予選リーグで当たる3チームの分析を自分でもしていて、正直セネガルが一番強いな、ということを選手同士でも話したりしていた」

 そう言って警戒心を強めたのは、長友佑都である。また、川島永嗣も気を引き締めている。

「一番の山場は2戦目だと思う。今回のセネガルはかなり能力の高い選手がそろっているので、コロンビア戦より難しいゲームになるんじゃないのかと思っている」

 現在、勝ち点3を獲得してグループ首位に立つ日本としては、同じく勝ち点3を得ているセネガルと引き分けて、勝ち点4でポーランドとの第3戦を迎えてもアドバンテージは十分ある。逆に、リスクを負って勝ち点3を取りにいき、セネガルのカウンターに仕留められたら、初戦で奪った勝ち点3の価値が半減してしまう。

 それゆえ、引き分け狙いのゲームプランも考えられるが、西野監督はそれを強めのトーンで否定した。

「3戦目は敗者復活のゲームであって、2戦目で決めなければいけないということを選手たちには伝えています。いろんなリスクがあっても、2戦目で勝負をかけなければいけないと思っています」

 その考え方は、本田圭佑が語っていたこととも合致する。第3戦までもつれ込むと、グループステージを突破しても、ベスト16、ベスト8の戦いで体力の消耗が著しいと本田は言う。その考えは、ベスト16で散った2010年南アフリカ大会の経験に基づいたものだ。

「理想論はやっぱり2戦目で決めること。それが本当の意味で上を目指す戦略を立てれる状態なのかなと思います」

 ふたりの言葉を聞くかぎり、セネガル戦に勝負をかけるのは確かだろう。では、スターティングメンバーは誰になるのか。

 前日の公式会見で西野監督は、「基本的にはスタートメンバーはコロンビア戦(と同じ)に、というのは現時点で考えています」と明かしているが、この言葉を額面どおりに受け取るわけにはいかないだろう。

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