なでしこオランダ戦は「ありがたい敗戦」。
悪夢の失点から何を学ぶのか (4ページ目)
U-20上がりでは、長谷川の物怖じしないプレーが際立った。文字通りポジションを超えて縦横無尽に駆け回る。自身でシュートまで持ち込み、ゴールを奪うこともあれば、ポイントゲッターである横山のゴールを演出するパスも配給するなど、なでしこでも通用する攻撃センスを見せた。
ただ、頭ひとつ抜け出す選手がいる一方で、どうしても個の動きだけになってしまい、最後までつながりにくかったことは課題として残った。チームとして、どう積み上げるか、高倉監督の今後の強化方針で大きく左右されそうだ。
選手の見極めに重点が置かれた就任から1年。細切れの国際試合だけでは、連係は生まれない。今回のアルガルベカップは8日間で4連戦という熾烈な環境ではあったが、メンバーをある程度固定した守備陣は効果的に底上げができた。
一方で、人が入れ替わった攻撃陣に関しては、コンビネーションプレーが乏しく、大きな課題を残した。特に前線に小柄な選手が並んだことで、空中戦を除外せねばならず、相手の的を絞らせてしまった。それでも相手を凌駕する攻撃力があれば話は別だが、小手先の技術だけでは諸外国のパワーに対抗できないことも露呈した。
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