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なでしこオランダ戦は「ありがたい敗戦」。
悪夢の失点から何を学ぶのか (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・撮影 text&photo by Hayakusa Noriko

 しかし61分、マンディ・ファンデンベルフが2枚目のイエローで退場になったことで状況は変わる。一見、数的優位で日本に有利な状況だが、完全に自陣に引きこもり、カウンター攻撃に絞ったオランダを崩すのは至難の業となった。

 それでも77分、宇津木瑠美(シアトル)が大きく左サイドへ展開すると、入ったばかりの籾木結花(日テレ・ベレーザ)がクロスを上げた。そこに頭で合わせようと走り込んだ田中美南(日テレ・ベレーザ)の背後にいた相手DFにボールが当たり、オウンゴール。

 これで日本は同点としたが、その後、攻めきれない時間が続く。完全に自陣に引いてるオランダを前に、ボランチの阪口、宇津木が悠々とフリーでボールを回すが、それでは局面を打開できない。残り1分となり、PK戦を見越してオランダはGKを交代し、逃げ切り態勢に。日本は90分で勝負をつけるべく、一層前がかりになったその瞬間、悪夢が襲った。中村のパスミスをさらわれ、クリアに行った守備陣はかいくぐられ、最後は体を投げ出した宇津木の左足で軌道が変わったあげく、ポストに当たってゴールへ吸い込まれた。ロスタイム残り数秒という最悪のタイミングで日本は勝利を逃した。

 4連戦のアルガルベカップを2勝2敗の6位でフィニッシュ。3勝を目標に掲げていた高倉監督は「本当にミスパスが多い」とその表情を曇らせた。サッカーにミスは付き物だ。高倉監督が言うのは単に「ミスを減らせ」ということではない。「やってはいけない場所でやっていけないパスミス」について指摘しているのだ。

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