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なでしこオランダ戦は「ありがたい敗戦」。
悪夢の失点から何を学ぶのか (5ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・撮影 text&photo by Hayakusa Noriko

 今後は攻守にわたり、テクニカルな選手に加え、高さを備えた即戦力発掘が急務になる。菅澤優依香(浦和レッズL)、有吉佐織(日テレ・ベレーザ)、北川ひかる(浦和レッズL)、岩渕真奈(バイエルン)といった期待を寄せていた選手が立て続けに負傷し、十分に試すことができなかったことも悔やまれる。

 最後のオランダ戦では、これまで修正してきたことが、やや強豪とされるチームと当たっただけで崩れてしまう脆さを露呈した。ただ、誤解を恐れずに言えば、これほどありがたい敗戦はない。PK戦の末に勝利を収め、目標である3勝を手にしていたら、おそらくここまでの危機感は得られなかっただろう。

 熊谷、阪口は「情けない......。こういうのはもういい」と揃って口にしていたが、「勝負どころで攻撃も守備も自分たちのスコアにできなかったこと」が敗因だと現状を真っ向から受け止めていた。

 今大会は「行くところ、行かないところの判断」を追求してきた。"できるつもり"では通用しない。最終戦にはなでしこジャパンの"甘くない"現実が詰まっていた。なでしこたちは間を置くことなく、来月にはコスタリカとの国際試合が用意されている。アルガルベカップから何を得てどう変化したのか、証明する場はすぐ目の前にある。

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