日本、U-20W杯へ。5大会ぶりにアジアの壁を突破できた要因は? (6ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

「メンタルはすごく大事だが、相手があり、いろんな状況が起こるなかで、やっぱりピッチのなかできちっとサッカーをしないと。まだまだミスがあるが、的確に自分たちのプレーをする流れが少しできてきたのはよかった」

 勝利のあとにもかかわらず、険しい表情を崩すことなく話し続けた内山監督は、そう言うと、最後にほんの少しだけ表情を緩ませた。それはこの大会を通じ、選手の成長を実感できたからに他ならない。

 今回、2007年のU-20W杯出場を最後に続いてきた"負の歴史"にピリオドを打った選手たちは、決してタレント豊富な世代として注目されていたわけではない。心もとない試合をすることも多く、どちらかと言えば、それほど期待されていなかったと言ってもいいのかもしれない。

 だが、そんな世代の選手たちが重い岩を、いとも軽々とどかしてみせた。勝負の準々決勝は史上稀に見る楽勝で。

 5大会ぶりのU-20W杯出場なるか、と前のめりで見ていた者にとっては、何とも拍子抜けするような、あっけない結末だったが、歴史が動く瞬間というのは案外こういうものなのかもしれない。

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