日本、U-20W杯へ。5大会ぶりにアジアの壁を突破できた要因は? (5ページ目)
内山監督にとっては、コーチとしてチームに参加し、悔しさを味わった2年前の経験が大きな糧となっている。指揮官は語気を強めて語る。
「たまたま南野拓実のPKが外れて(負けて)、あれで日本人は勝負弱いと評価されるのは、僕は正当ではないと思う」
2014年の前回大会。日本は準々決勝で北朝鮮にPK戦の末に敗れた。攻勢に試合を進めながら、守りを固める相手を最後まで崩し切れなかった結果だった。
だが、聞こえてくるのは、勝負弱さや精神的な弱さといった言葉ばかり。内山監督は違和感を覚えずにいられなかった。
「メンタル(の強さ)は誰でも持っている。ここにきたら負けたくないからみんなやる。でも、メンタルだけでは勝てない。背負うものがあって気持ちが入っていても、必要以上にそれだけにとらわれてしまうと、一番大事な、つまりピッチで何が起きているかを判断することや、技術的なこと、戦術的なことを忘れがちになってしまう。自分がやらなければいけないという意識が、逆にいい判断を消してしまうことがある」
そして指揮官は、「カタール戦では、彼らはいい判断を共有して(試合内容を)改善した。でも、それはメンタル(が理由)ではない」と言い、こう続ける。
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