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「チャレンジなでしこ」の成長の糧となる1プレイ (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text &photo by Hayakusa Noriko

 なんとか流れを変えたい日本は、後半開始とともにポジションを変更。前半途中から変更されていた上尾野辺の位置を左サイドバックに再び移動、京川を左サイドハーフ、右のサイドバックへ高良を動かした。

 その直後、上尾野辺のFKからニアで菅澤がつぶれ役となり、増矢が同点ゴールを生む。試合が一気に動き始めたのは60分を過ぎたあたりから。66分にカウンターから再びリ・イェキョンに勝ち越しを許すと、今度はその4分後に杉田がミドルシュートを鮮やかに決めて再び試合を振り出しに戻した。

 体を投げ出し、懸命なプレスをかけ続ける日本だったが、スタミナに陰りが見え始めた終盤、北朝鮮が試合を決めた。攻撃の中心に居座るラ・ウンシムが効果的なカウンターで立て続けにゴールを奪い、北朝鮮が2-4で勝利を奪っていった。

 健闘と課題が入り交ざった初戦だった。ラスト10分までの流れは健闘に値する。北朝鮮のメンバーは昨年の10月、アジア大会決勝で、ヨーロッパ勢が不在の布陣であったとはいえ、日本を下したメンバーが9人も名を連ねていた。カナダワールドカップこそ、ドーピング違反で出場できなかったものの、アジアの主要大会では結果を残し続けてきた北朝鮮を相手に、二度追いつく粘りを見せたのは十分に評価できる。が、いかんせん7月27日に集まったばかりの即席チーム。A代表レベルでの国際経験の少ない選手たちだけに、攻守においての連係が望めない中で、頼りになるのは個レベルでのつながりだ。

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