「チャレンジなでしこ」の成長の糧となる1プレイ

  • 早草紀子●取材・文・写真 text &photo by Hayakusa Noriko

 8月1日、東アジアカップが中国の武漢で開幕した。来年2月29日から大阪で開催されるリオデジャネイロオリンピック予選で、出場権を争うであろう4チーム(日本、北朝鮮、韓国、中国)が揃うとあって、互いに戦力状況を伺う貴重な対戦ばかりだ。

約3年半ぶりの日本代表となった京川舞約3年半ぶりの日本代表となった京川舞 日本は指揮官自ら"チャレンジなでしこ"を銘打った。リオ五輪につながる戦力を見越して、"なでしこジャパン"の主力の招集は見送り、枠を争うであろうメンバーを集めた。

 今大会の優勝を考えれば、ディフェンディングチャンピオンである北朝鮮との初戦はいきなりの山場。菅澤優衣香(ジェフ千葉)と有町紗央里(ベガルタ仙台)の2トップ、サイドハーフには、左に杉田亜未(伊賀FC)、右に増矢理花(INAC神戸)、ボランチには川村優理(ベガルタ仙台)と上尾野辺めぐみ(アルビレックス新潟)、最終ラインには左から高良亮子(ベガルタ仙台)、高畑志帆(浦和レッズL)、北原佳奈(アルビレックス新潟)、京川舞(INAC神戸)の4枚、そしてGKに山根恵里奈(ジェフ千葉)というフレッシュなスタメンが仕上がった。

 北朝鮮のスピードある攻撃に面喰った感のある立ち上がりを耐えていた22分、北朝鮮にカウンターを浴びる。必死に戻る京川が体を投げ出し、相手ごと止めるがホイッスルが鳴り響く。すでにボールを持ったラ・ウンシムはゴールエリア内に足を踏み入れていた。PKの大ピンチを救ったのは山根。落ち着いてキッカーの動きを読み切った。しかし、安堵も束の間。36分に、FKをするりと裏へ抜けたリ・イェキョンに決められて失点を喫する。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る