豊田陽平「ハリルさんほどの細かい指摘は初体験」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki YUTAKA/アフロスポーツ●写真

「(合宿では)攻守の切り替えの部分も含め、どこで圧力をかけてボールを取るのか、という指示が一番印象に残っています。バルサ対バイエルンのチャンピオンズリーグの試合ビデオを見ながら、『Jリーグでもこの強度の圧力が必要なんだ。まだまだ君たちは足りない。もっと前から激しく行くべきだ!』と力説していました。裏を返せば、その強度が出せる選手が必要だ、ということだと思います」

 すでにメディアで報道されている体脂肪率の厳命も、プレッシングをやり遂げるために不可欠な条件なのだろう。

「例えばザックさんは、ボールをどうやって前に運ぶか、を第一に考える監督でした。センターバックがボールを守って上がるとき、サイドバックが一つ前のポジションを取り、サイドアタッカーは半円を右回り、左回りに描いて中央にポジションを動かし、二つ以上のパスコースを作る、とか。そういう決めごとの攻撃練習は緻密でしたね。ザックさんに比べるとハリルさんは、一つ一つのプレイのディテールと前から圧をかけるゾーンプレスという印象が残っています」

 シンガポール戦でW杯予選引き分けスタートになった結果に関しては、メンバーから漏れた彼は言葉を控えた。

「監督やチームの評価は結局、最終的な結果次第なので、今の段階で判断するのは難しいです」

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