アギーレ監督解任問題。技術委員会のプレゼンスを守れ!

  • 木村元彦●文 text by Kimura Yukihiko
  • photo by Kyodo News

 そのうえで、辞任せずに継続した方針の流れで日本サッカーの強化をやりきると言明するのならば、それもまたひとつの責任の取り方であろう。密室の任命で決められて来た協会の会長選出も、ようやく2014年にFIFAの指導で評議員による選挙に変わった。トップダウンの組織からまともな競技団体になりつつある。私が思うのは、これらの流れを止めずに、問題を腑分けして考えるということだ。

 一方で、指摘したいのは本件に関して、大仁会長のコメントに力強さが無くブレていることからメッセージが伝わらない点だ。3日の会見で「もっと詳しく(アギーレの身辺を)調べておくべきだった」と発言していながら、12日になると招聘した責任に触れなかったことが注視している者には大甘に映る。技術委に任命責任はないとするのなら、一貫して「調べようがなかったと思う」と言っておくべきであった。また「責任はないと理事会にされた」としながら、給料の自主返還をしたのもおかしな話だ。責任を感じたからこそ返したのだろう。矛盾である。ここは「結果的に混乱させた責任はあった。責任を感じているからこそ、やり遂げて責任を果たす」と毅然と発信するべきだった。

 サッカー界が受けたイメージダウンは厳然とした事実としてある。それを受け止めた原専務理事と霜田技術委員長が続投する以上は、ここからやり遂げることを期待したい。交渉の最中に具体的な名前を挙げることはできないだろうが、代表監督が決まった後は「なぜ」「どういう経緯」で契約に至ったのかを可視化してもらいたい。当然ながら4年後の総括につながるものとして今から明確にしておくべきだ。ならば、2018年ロシアでいかなる結果になろうとも検証は容易である。それを以てして、ようやく最後まで技術委員会が機能したと言えるだろう。

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