ライバル・韓国が感じた「日本代表の素朴なギモン」
「列島沈黙――日本。UAEにPK戦の末、敗北」(サッカー専門誌『ベストイレブン』)
「日本沈没、アジアカップ8強でUAEに敗れる異変」(一般紙『中央日報』)
日本代表がアジアカップ準々決勝で敗退したニュースは、韓国でも大きく報じられた。その後、発表されたハビエル・アギーレ監督の契約解除も各メディアは一斉に報じ、韓国のテレビニュースでも扱われている。宿命のライバルの動向は何かと気になるようだが、韓国のジャーナリストたちは昨今の日本サッカーの低調ぶりをどのように見ているのか......。アジアカップの現場で実際に日本代表の試合を取材した3人の韓国人ジャーナリストに聞いた。
韓国記者は感情を剥き出しにする本田圭佑をキャプテンに推した「個の力、組織力、そして準備体制やメディアの数まで、日本は文句ナシで大会ナンバーワンだった。特に、パスの質や強度は韓国やオーストラリアよりも図抜けてレベルが違った。アジアカップ出場国で唯一、自分たちが思う通りのサッカーができるチームだったと思う」
そう語ったのは、サッカー専門誌『FourFourTwo KOREA』のぺ・ジンギョン記者だ。「試合運びのうまさでは、大会最高だった」とも語る。
「ただし、それはグループリーグ3試合までの話であって、準々決勝のUAE戦は自分たちのスタイルに過信しているようにも映った。タイトルがかかったノックアウト方式なのに、緊張感もなく、若干無気力に見えたほどだ」
同じような指摘をする記者は多かった。例えば、ネット展開するサッカー専門メディア『FOOTBALLIST』のリュ・チョン記者は、「パス回しのうまさなどは依然として日本らしかったが、鋭さという点ではブラジルW杯時よりも落ちたし、ボールを回せても肝心のゴールは決められない。日本はうまいけど、強くない」と評価。韓国で今、最も有名なフリーのサッカージャーナリストであるソ・ホジョン記者などは、グループリーグとほぼ変わらないメンバーで準々決勝に臨んだ日本の布陣や試合運びに、疑問を感じずにはいられなかったという。
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