今野&吉田を脅かす森重真人「ふたりを蹴落とす覚悟でいる」 (2ページ目)
東アジアカップでの優勝がもたらしたものは、決して小さくはなかった。8月のウルグアイ戦では、FW柿谷曜一郎やMF山口螢など、結果を出した選手たちが、海外組も合流した代表メンバーに加わった。その中に森重も名を連ねた。続く9月のグアテマラ戦では海外組を含めたチームでの"代表デビュー"を果たした。そこで一緒にプレイした面々は、かつてU-20W杯(2007年)や北京五輪(2008年)で、ともに戦った仲間たちだった。
「一緒にプレイする前までは、本田(圭佑)選手、長友(佑都)選手、ウッチー(内田篤人)、(香川)真司らのことを、『みんな、遠い存在になったなぁ』『すごく上手くなっているんだろうなぁ』って思っていたんです。実際、同じピッチに立ってみたら、確かに上手いし、国際経験の差もあるな、と感じました。でも、『こいつらにはかなわないな』と、思うことはなかったですね。単純に、これだけレベルの高い選手と一緒にプレイできるのは、すごく面白いなって思ったし、楽しかった。
チームの雰囲気にも、すぐに馴染めました。ハセさん(長谷部誠)とヤットさん(遠藤保仁)が、新しい選手がすんなりチームに溶け込んでいける環境作りをしてくれた。練習中も、『監督はこう言っているけれど、どうする? こうしたほうがいいよね?』といったすり合わせが、(吉田)麻也やコンちゃん(今野泰幸)ともしっかりできた。それで、自分の中でいろいろなことが整理できたので、(海外組と一緒になった最初の試合でも)思った以上にすんなりプレイできました」
海外組ともすぐに融合できた森重。吉田とセンターバックを組んで先発出場したグアテマラ戦は、3-0で勝利した。その直後、森重はある思いを強烈に抱き、そして、ある覚悟をしたという。
「試合に出場すると、周囲の評価とかが自然と耳に入ってくるじゃないですか。麻也とコンちゃんの間に入っていく存在だとか、メディアに取り上げられたりして。それで、自分もそういう存在にならないといけないと感じた。そこに食い込んでいかないと、自分は代表メンバーとして生き残れないと思った。もう、サブのポジションを奪うだけではダメ。レギュラーのふたりのうち、どちらかを蹴落とす。そのとき、そういう思いでやっていく覚悟ができました」
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