2014.01.09

名波浩の楽観論「日本がW杯ベスト8に入る方法」

  • 飯尾篤史●構成 text by Iio Atsushi
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

名波浩の視点

ブラジルW杯ではベスト8入りが期待される日本代表。2014年ブラジルW杯 日本代表スケジュール
●グループリーグ
第1戦 vsコートジボワール
(6月14日/現地時間22:00、日本時間6月15日/10:00)
第2戦 vsギリシャ
(6月19日/現地時間19:00、日本時間6月20日/7:00)
第3戦 vsコロンビア
(6月24日/現地時間16:00、日本時間6月25日/4:00)

 いよいよ今年6月、ブラジルW杯が開催される。

 日本の現実的な目標は、やはり前回の2010年南アフリカ大会(ベスト16)を上回るベスト8になる。つまり、5試合を戦うことになるわけだが、今の日本にはまだ、世界との戦いで余力を残したり、メンバーを温存したりして試合に臨むほどの余裕も、実力もない。一戦一戦全力を尽くして、そのうえで最高の結果を出していくしかない。おそらく、選手たちもそのつもりだと思う。

 ならば、まず考えるべきことは、グループリーグ突破。そのためには初戦、コートジボワール戦にかかる比重が大きくなる。ここでの負けは許されない。最低でも、引き分け以上が求められる。

 コートジボワールは、過去2大会とも前評判が高かったが、いずれも「死のグループ」(※)と呼ばれた激戦区に組み込まれて、グループリーグ敗退の憂き目に合ってきた。そういう意味では、今回の抽選を受けてのコートジボワール国内の盛り上がりは、日本以上ではないだろうか。「今度こそ、決勝トーナメントに進出できる!」と。

※2006年ドイツ大会は、アルゼンチン、オランダ、セルビア・モンテネグロと同組で、アルゼンチン、オランダに次いでグループ3位。2010年南アフリカ大会は、ブラジル、ポルトガル、北朝鮮と同組で、ブラジル、ポルトガルに次いでグループ3位だった。

 しかも、FWドログバ(35歳/ガラタサライ/トルコ)をはじめ、DFコロ・トゥーレ(32歳/リバプール/イングランド)、MFヤヤ・トゥーレ(30歳/マンチェスター・シティー/イングランド)、DFゾコラ(33歳/トラブゾンスポル/トルコ)といったコートジボワールの「黄金世代」にとっては、年齢的に最後のW杯になるかもしれない。今大会にかけるモチベーションは、相当高まっているのではないだろうか。

 チームの最大の強みは、ドログバ、ヤヤ・トゥーレなど、攻撃陣の個の能力の高さにある。彼らのスピード、優れた身体能力に対して、1対1で真っ向勝負を挑んだら、さすがに太刀打ちできないだろう。さらに、フランス人のラムシ監督は、チームに組織的な守備力を植えつけてきた。ということは、日本は前回大会の初戦で、同じアフリカ勢のカメルーンを下したが、カメルーンのようにチームのまとまりを欠いてしまうことは、コートジボワールには期待できない。間違いなく、難敵である。

 だからといって、今の日本が崩せない相手ではない。いくら組織的になったと言っても、組織力では昨年11月の欧州遠征で対戦したオランダ(2-2)やベルギー(3-2)のほうが上。コートジボワールの場合は、よりフィジカルにモノを言わせて、激しく寄せてくることが予想されるが、オランダやベルギーを相手に、日本は素早いパス交換と巧みなアングル作り、そして前を向いた選手を使う、という攻撃のスタイルを確立した。コートジボワール戦でも同様の攻撃が実践できれば、互角以上に渡り合えるはずだ。