2014.01.06

ミラン本田圭佑に要求される「最低限の数字」とは

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

名波浩の視点

ついにイタリアのミラン入りを果たした本田圭佑。まもなくチームに合流してデビュー戦を迎えるが、多彩なタレントがそろう名門クラブで本当に活躍できるのか。かつてセリエA(ベネチア)でのプレイ経験を持つ、解説者の名波浩氏が分析する。

  ミランは現在、「クリスマスツリー」と言われる4-3-2-1のフォーメーションで戦うことが多い。1トップに入るのはバロテッリ(イタリア代表)。その後ろ、2シャドーの一角は、今季ミランに復帰して好調を維持しているカカ(ブラジル代表)が務める。本田圭佑は、そのカカのパートナーとして起用されることが濃厚だ。

 攻撃の形としては、バロテッリが前線で体を張って、カカがその脇から裏にすり抜けていくのが主なパターン。カカは以前ミランに所属していた頃(2003-2004~2008-2009)も、シーズンふた桁得点を何度も記録していたように、スペースへの抜け出しが本当にうまい。今もその持ち味を存分に生かして、決定的な仕事をこなしている。

 そんな攻撃の主軸であるふたりが、本田とはタイプが違うのは好都合。本田はプレイスタイルを変える必要がまったくないからだ。トップ下でゲームを作ったり、ミドルシュートを狙ったり、得意なプレイで勝負していけば、チャンスは巡ってくるだろう。しかも、3列目のムンタリ(ガーナ代表)やモントリーボ(イタリア代表)がしっかりサポートしてくれるはずで、本田がプレイしやすい環境が整っている。これまでやってきたことをそのまま表現していけば、十分に活躍できるはずだ。

 もちろん、求められることもある。攻守の切り替えの速さ、特に攻から守への素早い対応だ。というのも、今のイタリアのサッカーは、ユベントスやナポリをはじめ、ハードワークしてくるチームが多いため、守備の際にはサボらずに走らなければいけないからだ。アルゼンチン代表のカルロス・テベスがユベントスで受け入れられたのも、自己犠牲の精神でよく走っているからこそ。本田もしっかり走って、守備で貢献できるようにしなければいけない。

 さらに、アウトサイドのムンタリとモントリーボは、インサイドに入ってきて攻撃を組み立てるのが好きな選手たち。その際、本田がサイドに流れて起点を作り、彼らを生かすことも重要になる。ただそうしたプレイは、日本代表でもやっていること。本田にとって決して難しいことではないだろう。