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【プロ野球】坂本勇人の通算300号に「やはり何か持っている」 篠塚和典が今の巨人に欠かせないルーキーとベテランについて語った (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――ヒットの延長=ホームランを意識したバッティングに見えますか?

篠塚 ケースによって狙う時もあるでしょうが、勇人のバッティングの感覚だと、ヒットの延長がホームランという考え方だと思います。彼の若い頃に打撃コーチとして見ていましたが、ティーバッティングもフリーバッティングも、「崩されながらも左手1本で打つにはどうしたらいいのか」とか、いろいろなことを意識しながら細かく取り組んでいる姿勢が見えました。そうしたひとつひとつの努力が、通算成績につながっているんでしょうね。

――篠塚さんは、今の巨人は世代交代の時期とも話していましたが、試合に勝ちながら若手が成長していくことを考えると、ベテランの働きも欠かせませんね。

篠塚 長嶋さんの一周忌の試合で、3点ビハインドの8回裏に代打逆転満塁ホームランを放った丸佳浩ら、底力のあるベテランに最大限の能力を発揮してもらう機会が増えれば、チームは上向いていきます。我々の時代は厳しくて、ベテランになって結果が伴わないとすぐに引退を言い渡されましたし、我慢して使ってもらえませんでした。しかし今は、ベテランの力をいかに活用できるかによって、若手の成長や、チームの浮上にもつながるといった認識が高まっている時代です。

 強いチーム、強くなっていくチームは若手・中堅・ベテランがうまくかみ合っています。若手には成長を、ベテランには奮起を期待したいですね。巨人は今の時点で貯金があるわけですし、いい位置につけています。上位を走ると「今の順位を守らなきゃいけない」という受け身の姿勢が出てしまうこともありますが、上位陣は僅差で、精神的には「これからやるぞ」というモチベーションで臨めますから悪くないチーム状態だと思います。

 交流戦の出来もその後のペナントレースに影響しますし、いい形で乗りきってほしいです。長嶋さんの一周忌の試合でホームランを打った丸が、ヒーローインタビューで「長嶋さんが打たせてくれた」と言っていましたが、きっと長嶋さんも天国で見てくれています。

【プロフィール】

■篠塚和典(しのづか・かずのり)

1957年7月16日生まれ、東京都出身、千葉県銚子市育ち。1975年のドラフト1位で巨人に入団し、3番などさまざまな打順で活躍。1984年、87年に首位打者を獲得するなど、主力選手としてチームの6度のリーグ優勝、3度の日本一に貢献した。1994年を最後に現役を引退して以降は、巨人で1995年~2003年、2006年~2010年と1軍打撃コーチ、1軍守備・走塁コーチ、総合コーチを歴任。2009年WBCでは打撃コーチとして、日本代表の2連覇に貢献した。

■元巨人、WBCコーチ・篠塚和典氏の夏の野球教室

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著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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