【WBC 2026】監督よりも長く侍ジャパンを見てきた男 村田善則が15年で積み上げた勝つための思考 (3ページ目)
しかし、そのタイミングで阿部慎之助が入団。結果、村田は現役時代のほとんどを一軍での二番手キャッチャーとして過ごすことになる。そんなベンチから野球を見続けた村田の観察眼が引退してからの彼の武器になるのだから、村田の野球人生、じつに味わいがある。
「今は本当にたくさんのデータがありますが、国際試合ではそのすべてを頭に入れるということは考えないほうがいいと思っています。もちろんキャッチャーとして、まず相手バッターのことは必要なことの要点をつかんで覚えなければなりません。
さらに日本代表のピッチャーは普段、受けている相手ではないので、そのあたり、ブルペンで受けるのと試合で受けるのとでは違う感覚になることもあります。だからデータと感性、ブルペンと試合、今日の調子の良し悪しの見極めなども含めて、いろいろなものの組み合わせが必要になってくると思います」
【寛容力があって懐の深いキャッチャー陣】
村田にとって、ユニフォームを着てコーチという立場で戦うWBCは2017年、2023年に次いで、今回が3度目(2013年はスコアラー)となる。
2017年の第3回WBCは小久保が監督を務め、キャッチャーは大野奨太、炭谷銀仁朗、小林誠司の3人。2023年の栗山監督のもとでは甲斐拓也、大城卓三、中村悠平の3人。そして今回、井端監督が選んだキャッチャーは坂本誠志郎、若月健矢、中村の3人だ。ジャパンのキャッチャーに求められる素養を、村田はどう考えているのだろう。
「みんな、日本代表に選ばれるほどのキャッチャーです。それぞれのチームではレギュラークラスですし、キャリアも積んできて、キャッチャーとしての何らかの武器を持っている。WBCだからといって技術的なことで新たに求めることは何もありません。ただ相手の情報が少なくて、まだ何も頭に入っていない状態から短い期間でデータを頭に入れて柔軟に対応しなければなりませんから、そこは懐の深さが求められるかもしれませんね。
あとは他球団のピッチャーの特徴をつかむこと、大きなプレッシャーのなかで力を発揮することも必要でしょう。最近はガーッと引っ張るタイプのキャッチャーより、寛容力があって、いろんなタイプのピッチャーにも対応できる、そういうキャッチャーが日本代表に選ばれてきているような気がします」
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