【プロ野球】花巻東・大谷翔平との一戦より忘れられない試合 藤浪晋太郎と森友哉が明かす春夏連覇・大阪桐蔭の「最大のヤマ場」 (2ページ目)
森 ほとんど覚えてないです(笑)。そんなことありました?
藤浪 まあ、心を揺さぶられるようなひと言があったわけではないし、ああいう場面で冗談を言って和ませるというのも大阪桐蔭のカラーではない。話の中身としては、守備位置や状況の確認だったけど、その3回のタイムが効いて、あのピンチを無失点で切り抜けることができた。ただ、そこを凌いで9回に点を入れて勝ったのではなく、8回に勝ち越されて、そこからの逆転勝ち。厳しい展開だった。
【完全に負けたと思った】
── 1点を追う9回表。この試合は3番に入っていた先頭の森選手がライトへヒットを放ちましたが、二塁を狙ってタッチアウト。スタンドで見ていましたが、歓声が一瞬にしてため息に変わり、「勝負あった」と思いました。
藤浪 自分は、森がアウトになっても、負けるとは思わなかったんです。勝ったから言うわけじゃなく、「まだいける、まだいける」と。ベンチも、そういう空気でした。森はさすがに、ガックリしていましたけど。
森 僕はもう完全に負けたと思っていました(笑)。そこはよく覚えています。僕のミス(パスボール)で8回に勝ち越されていたのもあって、「なんとかせな」と思って打って、二塁を狙ったらアウト。「完全に終わった。やってもうた......」と。
── しかし、のちに聞いたメンバーの証言によれば、ベンチでは「まだ終わってないやろ!」と。副主将で、このあと勝ち越しタイムリーを放つ白水健太が先頭に立ち、大きな声を張り上げていたと。
森 めちゃくちゃ言ってました。「まだこっからやろ!」「はよ帰ってこい!」「ハリーバックや!」って。
藤浪 大阪桐蔭は、アウトになったらダッシュでベンチに帰るという習慣があるからな。
森 とはいえ、僕からしたらこの状況で勢いよく帰れるか!って(笑)。
藤浪 でも、そこからもう一度チャンスをつくって逆転。いよいよ追い込まれたところから食らいついていった粘り、泥臭さ。いつも西谷監督が「粘って、粘って、後半勝負」と言ってたけど、大阪桐蔭が目指してきた野球を体現できた試合だった。本当に、いい試合だった。
2 / 4

