【プロ野球】広島・大瀬良大地が語る「投高打低」のリアル 150キロ超のリリーフ、長打減少、データ活用の投球術 (4ページ目)
あくまでも試合を見ていての筆者の印象だが、最近、ファウルが増えたと感じる。
「はい。一生懸命ファウルにしてるのでもなく、このボールはこっちにファウル打って、もう少し甘い球を待とうというような。投げていて、『うわっ、嫌だな』『球数使っちゃうな』と、なんかいやらしさみたいなものを感じるようになっています。クリーンアップの選手でも、自分の長打が打てるところにくるまでファウル、ファウル。なかなか崩れたスイングしてくれないなぁ、と思って」
ミスしたボールでの長打は少なくなった反面、なかなか思いどおりには打ち取れない。数字のうえでは"打低"で、防御率1点台を記録した大瀬良でも、これまでにない難しさを感じている。だからこそ、さらなるレベルアップを目指していく。
「カットボールをできるだけ真っすぐに寄せたいんです。僕のカットボールは、真っすぐに見えて曲がり幅が大きいってなるところが特徴らしいので。もちろん、いい真っすぐがあってこそ変化球が生きると思いますが、いろんなことを考えて新しい球種にチャレンジしたり、数字を見たり。利用できるものは何でも利用しないと、遅れを取っていく時代になると感じています」
(文中敬称略)
著者プロフィール
高橋安幸 (たかはし・やすゆき)
1965年、新潟県生まれ。 ベースボールライター。 日本大学芸術学部卒業。 出版社勤務を経てフリーランスとなり、雑誌「野球小僧」(現「野球太郎」)の創刊に参加。 主に昭和から平成にかけてのプロ野球をテーマとして精力的に取材・執筆する。 著書に『増補改訂版 伝説のプロ野球選手に会いに行く 球界黎明期編』(廣済堂文庫)、『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』(集英社文庫)など
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