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【プロ野球】広島・大瀬良大地が語る「投高打低」のリアル 150キロ超のリリーフ、長打減少、データ活用の投球術 (3ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki

「それも感覚じゃないです。数字が落ちた場合、そこに対してアプローチしたいなと考えます。トレーニングもそうだし、コンディショニングも、少し張りが強いのかなとか、疲れているかなあ、というところでアプローチしてみて、回転数を戻したいと考えることはあります」

 ひとつの球種の数値の変化を知ることで、自身の体調の変化を予測し、問題があれば解決に向かう。技術とデータ、トレーニングとコンディショニングが一体化した好循環。こうした測定機器の生かし方は、打者にはなかなかできそうにない。スイングスピードを測定したり、スイングの軌道を修正したりするには有効そうだが。

「もちろん、相手のバッターにも、僕のデータは提供されているんでしょうけど......。とはいっても、バッターは本当に一瞬の世界で受け身なので。結局、感覚でバーってやるところも多いと思うんですね。そういうところも、ピッチャーのほうが手元にいろんな資料があって、すぐ生かせるって考えると、有利なのかもしれないですね」

【空振りが取れなくなった】

 いま現在、リアルにマウンド上から攻めている投手の言葉だから、なおさら「受け身」の打者は埒(らち)が明かない、という気がしてくる。だが、それでも打たれるのが投手だ。"打低"といわれるなかでも、打者だってレベルアップしていると感じる時はあるだろうか。

「先ほどおっしゃった、三振が減っていることに関連して言えば、まったく空振りを取れなくなったというイメージはすごくありますね。もともと僕は三振を多く取れるタイプではないんですけど、これまでの対戦だったら、ここに投げちゃうと一発がある、そのかわり、こっちにしっかり投げられれば三振してくれるっていうのがあったんです。

 でも今は、ここに投げたられ長打になっちゃうかもしれない。で、こっちに投げても三振はしてくれないっていう。何か、いいところと悪いところの差が狭くなっているような印象があって......。もちろん慣れとかもあるんでしょうけど、空振りを取れないかわりにファウルで逃げられたり、あえてファウルを打たれたり」

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