中畑清と篠塚和典が語る松井秀喜と阿部慎之助の成長裏話 ミスターが張本勲を呼んで指導した「ゴジ」のすり足打法
中畑清×篠塚和典 スペシャル対談(6)
(対談5:中畑清が篠塚和典に涙で感謝した、1989年日本シリーズでの現役最後のホームランに「ありがとう、シノ」>>)
芸術的なバットコントロールと守備で活躍した篠塚和典氏と、"絶好調男"などの愛称で親しまれた中畑清氏。選手としてだけでなく、コーチとしても巨人で活躍したレジェンドOBふたりに、入団当初から驚かされたという松井秀喜氏の印象を聞いた。
巨人1年目の松井秀喜 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【松井秀喜は1年目から規格外だった】
――おふたりは巨人で長年コーチを務められ、多くのバッターを見てこられましたが、一番すごさを感じたバッターは?
中畑清(以下:中畑) ゴジ(松井秀喜氏の愛称"ゴジラ"の略)じゃないかな。シノはどう?
篠塚和典(以下:篠塚) ゴジはあまり関わっていないんです。僕は(阿部)慎之助ですね。(高橋)由伸もすごかったですが、慎之助は変わり方が想像以上でした。ずっと見ていましたが、あそこまで進化するイメージはなかったので。センスもあるでしょうし、本人の努力が大きいと思います。ましてやキャッチャーでリードの勉強もたくさんしなければいけないなか、あれほどのバッティングをしていたのはすごいですよ。
◆動画で見る↓↓
中畑 引退したシーズンの最後に打ったホームランも、狙って打っていたからね。かっこいいよね。
篠塚 ゴジが1年目の時の、春季キャンプでのフリーバッティングはすごかったですよね。
中畑 場外に消えていった打球が何本かあったよな。特に宮崎市営球場(現ひなたひむかスタジアム)のライト後方の高さ約15メートルの防風ネットを越える、150メートル弾はすごかった。あれを越えるバッターってほとんどいないんだよ。あと、振り遅れて流し打った打球がレフトスタンドに入っちゃったりね。
篠塚 素振りなんかを見ていると、重くて鈍いスイングに見えるんですけどね(笑)。ただ、バッターボックスに入ると、また違うスイングになりますよね。
中畑 ボールがくると変わるんだよな。
篠塚 ネクストサークルでのスイングはマネできないですよね。
中畑 あれは教えられない。スイングの音が鈍いし、動きがギクシャクしているんだよな。それが、ボールがくると力感のないスムーズなスイングになって、ボールがピンポン玉のように飛んでいく。彼の世界のバッティングなんだろうね。"ゴジラ打法"と名づけてもいいかもしれない。
篠塚 ゴジはガツンと打つタイプですよね。
中畑 あまり見たことないタイプだよな。
1 / 3
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。







































