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中畑清と篠塚和典が語る松井秀喜と阿部慎之助の成長裏話 ミスターが張本勲を呼んで指導した「ゴジ」のすり足打法 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

中畑 ギクシャクしていて流れがないんだよ。すり足にしてからはゆったりと間を作ることができて、バットがスっと出てくる。ボールを呼び込む時の形、トップの形、打ち出す形と、すべてがスムーズになったんだよね。日本で最後のシーズンにホームラン50本打ったけど、あの時の逆方向への打ち方なんか最高だったよね(※)。

※2002年10月10日、東京ドームで行なわれたシーズン最終戦(ヤクルト戦)。8回裏に迎えた日本での最終打席で、五十嵐亮太からレフトスタンドに第50号のホームランを放った。

篠塚 力感がなくてスタンド中段まで運んでしまいますからね。50本打つバッターはやっぱり違うなと。それと、とにかく野球が好きでしたし、練習が好きでしたよね。

――早い段階ですり足打法に変えたことが、その後のメジャーでも生かされていたように思います。

中畑 イチローのケースもそうじゃないですか。足を上げる振り子打法でしたが、メジャーの速くて動く球に対応するために、すり足に近いようなタイミングのとり方になっていきました。大谷翔平もそうですよね。一様に、その形が理想形なんだということに気づくわけです。でも、日本人は体が小さくて非力だから、どうしても「足を上げて強く振ることでカバーしたい」という気持ちになりがちです。

 ただ、すり足って難しいんです。確実にものにできたら多くの選手が生き残っていますよ。シノはどう思う?

篠塚 僕の場合は体が小さいので、体全体を使いながらボールにフィットしていかないと強い打球が打てません。自分がすり足をやっていたら、上半身だけで振ってしまいそうですし、打てなかったと思います。僕は動きながら打っていくタイプですし、個々の選手に体に合わせた打ち方というのが必ずあるはずです。

(対談7;野球人生を変えた日米野球のホームラン 現役時代はお互い「ライバルとしても見ていた」>>)

【プロフィール】

■中畑清(なかはた・きよし)

1954年1月6日生まれ、福島県出身。駒澤大学を卒業後、1975年のドラフト3位で巨人に入団し4年目から一軍に定着した。通算打率.290の打撃、ファーストでゴールデングラブ賞を7回獲得した守備で勝利に貢献。長嶋監督から調子を聞かれ、試合に出るために「絶好調!」と答えて「絶好調男」としても人気を集めた。1989年に現役を引退。2012年から4年間、DeNAの監督を務めた。また、2004年のアテネ五輪ではヘッドコーチを務めていたが、チームを率いていた長嶋茂雄氏が脳梗塞を患って入院したあとに監督を引き継ぎ、チームを銅メダルに導いた。

■篠塚和典(しのづか・かずのり)

1957年7月16日生まれ、東京都出身、千葉県銚子市育ち。1975年のドラフト1位で巨人に入団し、3番などさまざまな打順で活躍。1984年、87年に首位打者を獲得するなど、主力選手としてチームの6度のリーグ優勝、3度の日本一に貢献した。1994年を最後に現役を引退して以降は、巨人で1995年~2003年、2006年~2010年と一軍打撃コーチ、一軍守備・走塁コーチ、総合コーチを歴任。2009年WBCでは打撃コーチとして、日本代表の2連覇に貢献した。

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著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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